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高卒の私が独学で日商簿記2級を3ヶ月で一発合格した方法を紹介

過去に、私は簿記2級を独学で一発合格しました。それも全く知識ゼロの状態から半年間の勉強期間で見事合格できました。ただ半年間と言っても、簿記3級の勉強期間と合わせてになるので、実質的には簿記2級の勉強期間は約3ヶ月間になります。

ちなみに誤解してほしくないのですが、私の最終学歴は高卒です。決して頭脳明晰な訳でも無く、どちらかと言えば高校はスポーツ推薦で入学したので受験勉強をしてない点や、恥ずかしながら学生時代は赤点もよく取り補習授業の常連だったり、大学受験も失敗したりと、偏差値の低い分類に属していると思っています。

これまで目立った資格を取得したことも無く、学校や仕事で簿記に触れることも無かった私がなぜ簿記2級取得を目指して勉強を始め、そして、合格まで至ったのかを勉強方法も含めて紹介したいと思います。これから、簿記の勉強を始めようかと考え中の方や、現在簿記資格取得に向けて猛勉強中の方に、こんな私でも合格できたので参考にしていただければ幸いです。

 

なぜ簿記に関心を持ち勉強し始めたのか

当時私は30代前半でした。職業は経理や財務関係の職ではなく、営業職に携わっていましたので簿記についての知識も関心もあった訳ではありません。但し、営業でも立場上、顧客管理や新規開拓をする際に、相手企業の財務状況を知る必要があったため、バランスシートが理解できる知識が欲しかったのが切っ掛けでした。また、ある情報誌で「営業マンには簿記が役に立つ」というような記事を読んで、経費や利益の仕組み、そして、コスト意識を持つためには簿記の知識は必要だと感じていたので、「思い立ったが吉日」精神で早速簿記に関する参考書を買いに行くことにしました。

そこで、まず初心者でも理解できそうな参考書を探しに本屋へ

私は昔から本をあまり読みません。本音を言えば活字本は大嫌いです。漫画は好んで読みますが、活字本は好きな小説家の短編小説や、面白そうな自己啓発本を少し読む程度でした。昔から活字を見ると眠くなる体質で、寝付けない時には逆に利用して本を読んでいたくらい苦手なんです。そんな私が継続して勉強できる参考書はやはりイラストが多くて楽しく学べるのがいいだろうと思い、何点か候補に上げた中から下記の参考書を選びました。

それは、1日約2.5時間、7日間で日商簿記3級がマスターできるように構成された「サクッとうかる日商3級商業簿記」です。

ネットスクール出版の「サクッとうかるシリーズ」と言われている本なんですが、簿記検定対策書としてはロングセラーだということもあり、読んでみてこれなら嫌にならずに学べそうだと思い買ってみました。この参考書を買ったのが年末だったので、正月休み中にとりあえず読んでみました。

すると、意外にも簿記って面白いなと感じてしまい、数学は頭が悪いなりに好きな科目だったこともあり、苦手意識も感じること無く、5日間もかからずに一通り読み終えることができました。これならもしかすると簿記3級の検定試験受けてみたら合格できるかもと、根拠のない自信が芽生えてしまったのです。そこで、検定試験はいつごろあるのか調べてみると、直近では2月の第4日曜にあることが判明。神戸市の商工会議所で申し込みをしていることが分かり、専用サイトを調べてみるとまだ申し込みに間に合うではありませんか。これは「思い立ったが吉日」精神発動で、勢いそのままに申し込みを済ませた自身の行動力に驚きつつも、この日から初のメジャーな検定試験を受けるため、試験当日までの勉強スケジュールを考えることにしました。

 

日商簿記3級一発合格への道

年明けそうそうから日商簿記3級合格に向けて勉強を始めましたが、試験までの残された時間は2ヶ月を切っている状態だったので、下記のスケジュールで勉強を開始することに。ちなみに、参考書は引き続き「サクッとうかる日商3級商業簿記」のテキストとトレーニングの2冊で行うことにしました。

スケジュールについて

まずはテキストを熟読してやろうかと思い、平日は片道30分間の通勤電車の行き帰りを読書に当て、更に帰宅後1時間ほど勉強時間に費やしました。土日は家族サービスをしたり、当時あるスポーツの社会人リーグで現役選手として活動をしていたこともあり、3時間取れればいい方でした。このように勉強時間を確保し、約50日間頑張りました。

  1. テキスト1冊を5日間で読む
  2. テキスト1冊を5日間で読む
  3. レーニング1冊を5日間で解く
  4. テキスト1冊を5日間で読む
  5. テキスト1冊を5日間で読む
  6. レーニング1冊を5日間で解く
  7. テキスト1冊を5日間で読む
  8. レーニング1冊を5日間で解く
  9. 過去問題集1冊を10日間で解く

勉強期間の総括

まずは40日間上記のスケジュール通りやり続けました。何処に何が書かれているかを丸暗記できるぐらいにテキストを熟読し、トレーニングでは基本を重視した問題で構成されているので、無理なく効率的に力が身に付きます。何度も繰り返し問題を解くことで基礎力が身に付きました。最後の方は間違えた問題ばかりを解くようにしました。簿記はスポーツと同じで練習が大事で、何度も同じ問題を繰り返すことで速く正確に解けるようになると参考書に書いていたのでその通り素直に実践しました。

その後、10日間は過去問題集を新たに購入し、過去12年分の検定問題を2回づつ解きました。1回目は時間を設けずにすべて解き切るまで行い、何とか平均点70点以上をクリア。間違えた問題を再度テキストで確認しながら解き直しました。2回目では本番を想定して時間を計りながらチャレンジし、90点台も取れるほどに成長。間違えた問題はしっかりと最終確認して、試験日を迎えること。結果は、見事合格でした。

最終的に簿記3級の独学で要した勉強時間は約115時間です。

ちなみに、後から何点で合格したのか分かるのですが、どうやら私は奇跡的に1問だけの間違えで済みました。思いのほか高得点で合格できたことにビックリしたのを今でも覚えています。そして、好成績を収めたことで、気持ちが大きくなり、何を血迷ったのか引き続き簿記の勉強を継続して日商簿記2級へ挑戦する決意を固めてしまいました。人生通じてこんなに勉強した記憶がありません。学生時代にこれほどの勉強に対する熱心さがあれば、どこかの大学に合格できたのではと考えたのは言うまでもありません・・・。

簿記3級受験で感じたこと

色々な参考書がある中で、自分に合った参考書に巡り合えるかがキーになるように感じました。あまり目移りせずに、第一印象で良いと感じた参考書を信じることが大切です。確かに私の購入した「サクッとシリーズ」はイラストで説明してくれていて分かり易いですが、試験対策本としては実戦向きではないとの口コミが多く見られました。確かに指摘通りな点も否めないですが、ただ、知識を習得する最初の目的がブレてしまうと基礎力が身に付かないのも事実です。試験対策は過去問題で解消できますので、参考書は自分に合ったものを選ぶことが重要だと思います。

 

難関の日商簿記2級一発合格への道

簿記3級合格の勢いそのままに、簿記2級の勉強を開始したのが3月入ってすぐのことです。次回の試験日が、6月の第2日曜なので、ちょうど100日間ほど勉強する期間が取れました。参考書は3級と同じくネットスクール出版の「サクッとうかるシリーズ」を引き続き選ぶことにしまいた。

但し、簿記2級は3級とは違い、勉強範囲が商業簿記にプラスして工業簿記も勉強する必要があります。必然的に参考書も、商業簿記と工業簿記のテキストとトレーニングを2冊づつ(計4冊)を購入しなくてはいけません。簿記2級合格を志す方はよくご存知だと思いますが、簿記2級では2種類の簿記知識を必要とするため、3級よりも一気に難しくなり合格率が20%前後の難関試験となります。私自身、簿記3級で培った商業簿記は問題なく勉強を進めていけるのですが、工業簿記は苦手意識を持つ方々が大変多くいるそうなので、かなり不安を持って勉強をスタートしました。

簡単に2種類の簿記について説明

  • 商業簿記・・・商品売買業を対象とした簿記
  • 工業簿記・・・製造業を対象とした簿記

上記の説明でもわかる通り、同じ簿記でも対象が変わるだけでかなり内容が違ってきます。工業簿記では原価計算が加わってくるので、この計算に苦手意識を持つ方が多くなるようですね。

スケジュールについて

簿記3級で行った勉強方法と同じく、まずテキストを熟読することから始めました。平日は片道30分間の通勤電車の行き帰りを読書に当て、帰宅後寝る前の1時間を勉強時間に費やし、土日は3時間勉強して100日間頑張りました。

1ヶ月目
  1. 商業簿記テキスト1冊を5日間で読む
  2. 商業簿記テキスト1冊を5日間で読む
  3. 商業簿記レーニング1冊を5日間で解く
  4. 工業簿記テキスト1冊を5日間で読む
  5. 工業簿記テキスト1冊を5日間で読む
  6. 工業簿記トレーニング1冊を5日間で解く

最初は、とりあえず同じボリュームで勉強することにしました。商業簿記は再確認と新たな知識習得に注力し、工業簿記は初見だったため基礎知識習得に努めました。

2ヶ月目
  1. 商業簿記テキスト1冊を5日間で読む
  2. 商業簿記レーニング1冊を5日間で解く
  3. 工業簿記テキスト1冊を5日間で読む
  4. 工業簿記トレーニング1冊を5日間で解く
  5. 工業簿記テキスト1冊を5日間で読む
  6. 工業簿記トレーニング1冊を5日間で解く

2ヶ月目は、商業簿記よりも工業簿記を重点的に勉強することにシフトしました。覚える知識量が半端ないため、少し諦めモードに突入した時期でもあります。我慢の時期でした。

3ヶ月目
  1. 商業簿記テキスト1冊を5日間で読む
  2. 商業簿記レーニング1冊を5日間で解く
  3. 工業簿記テキスト1冊を5日間で読む
  4. 工業簿記テキスト1冊を5日間で読む
  5. 工業簿記トレーニング1冊を5日間で解く
  6. 工業簿記テキスト1冊を5日間で読む

3ヶ月目に突入するころには、商業簿記はかなり安心できるレベルまで知識が身に付き、工業簿記では反復練習の効果で一筋の光明が差すところまでは来たものの、まだ合格ラインまでは達していない状態でした。

ラスト10日間
  1. 過去問題集1冊を10日間で解く

最後の仕上げに、過去問題で試験対策を行いました。

勉強期間の総括

まず90日間は上記のスケジュール通りやり続けました。商業簿記は3級で培った知識が大いに役に立っているので、後半は工業簿記に時間を掛けて知識習得に努めました。やっぱり簿記はスポーツと同じで反復練習が重要です。何度も同じ問題を繰り返し、苦手箇所を見つけてそこを重点的に頭に刷り込んでいく作業が大切です。それでも工業簿記は複雑な部分があるので、合格を目指すのであれば苦手部分の切り捨ても視野に入れて、得点の取れるトレーニングを検討することにしました。

その後、10日間は3級と同じく過去問題集を購入し、過去12年分の検定問題を2回づつ解きました。1回目は時間を設けずに解き、2回目は本番を想定して時間を計りながら解きました。点数は年代別で合格ライン70点に行かない時もあったり、80点以上取れる時もありしましたが、間違えやすい問題の傾向も見えてくるようになります。しかし、苦手問題を克服したとしても初見問題はやはり不安が残ります。

そこで、合格するために対策を立てることにしました。日商簿記2級の配点は、商業簿記が60点、工業簿記が40点の計100点になっています。私は商業簿記をかなりの確率で解くことができたので、ミスをしたとしても50点は取れると予想して、工業簿記を最低でも20点取れれば合格できると考えました。検定試験は、全てを憶えて100%自信を持って臨む必要は無いと考えていたので、合格できればすべてOKの気持ちで割り切りも必要です。そして、試験日を迎えることに。結果は、見事合格でした。

最終的に簿記2級の独学で要した勉強時間は約230時間です。

ちなみに、何点で合格したかと言いますと、ギリギリの70点で見事滑り込みセーフでした。見事に対策通り合格することができたので、違った意味で興奮しました。高得点で無くとも、対策通りの合格は、スポーツで例えるなら作戦勝ちのようなもので、ある意味ギャンブルに近い感覚になりましたね。とりあえず合格できて本当に良かったです。当分は勉強はしたくないぐらいに完全燃焼しました。

簿記2級受験で感じたこと

簿記3級でもお伝えしましたが、参考書選びは大切ですね。2級は工業簿記が加わるので、複雑な問題が増えます。苦手意識を感じないように、分かり易い参考書は必要不可欠になります。あとは、反復練習あるのみなので、どれだけ勉強時間を確保できるかがポイントになってきます。独学で2週間もあれば合格できるようなことを言っているブログもありますが、私は決して2級は侮るなかれだと思っております。モチベーションもあると思いますが、一発合格を目指すのなら、空き時間すべてを簿記に費やする覚悟が必要です。

 

試験当日のアドバイス

私はこのような検定試験を受けるのが初めての経験でした。右も左もわからない状態で臨んだので、かなりの緊張感の中で試験したのを今でも覚えております。私が受けた試験会場は、神戸市内の某大学だったのですが、大教室のあの異様な雰囲気と受験されている皆さん全てが私よりも頭の良さそうな方々に見えてしまい、冷静さを保つのが大変でした。簿記3級の時は、結構自信があったので、プレッシャーを跳ね除けることができましたが、簿記2級の時には、合格ラインギリギリだと自覚していたので、それはもうドキドキでしたね。試験中は問題を解くスピードが速い方もいるので、自分のペースを乱されることも想定しておいた方がいいかと思います。幸い、私は職業柄電卓を扱うのが慣れていたので、タイピングミスも無く、スピードもそこそこに対応できたのは良かった点です。

簿記の試験を受ける際には電卓を打つのに慣れてから臨んだ方が良いでしょう。私は試験ギリギリまで参考書と睨めっこしていましたが、人によっては(初心者であれば尚更)不安が増すばかりなので、腹をくくって直前は精神状態を保つことに集中した方がいいかもしれません。

 

まとめ

日商簿記2級は経理や財務関係の職に就いていない方でも、大いに役に立つ知識であり資格でもあります。更に、転職する際にも大きなアピールポイントにもなります。キャリアプランを描く中で、資格はいくらあっても邪魔になるものではないので、独学で一発合格可能な簿記2級はかなりおすすめな資格です。私のような経験談でも参考にしていただき、是非、合格目指して頑張って下さい。